長野県議会会派 改革・創造みらい

© 2019 by kaikakusouzoumirai. Proudly created with Wix.com

長野県長野市大字南長野字幅下692-2

Tel. 026-232-0087 Fax. 026-231-5592

  • 改革・創造みらいfacebook

令和元年 6月定例県議会 発言内容(髙島陽子議員)

◆髙島陽子

 

 改革・創造みらい、髙島陽子です。学校徴収金の適正化及び会計管理の方法と課題について教育長にお聞きします。
 教育費負担の観点から、保護者が学校に納入する学校徴収金について関心が高まっています。県立高等学校においては、4月の入学や進級から5月を中心に開催されたPTA総会を経るなどして、この6月の下旬に金融機関口座からの引き落とし方式によって徴収される折も折、授業料無償化とは別の、私費負担分の重さを感じる季節を迎えています。
 過日、北信地方の全日制高等学校の事務長が、勤務していた高校の保護者からの預かり金を数百万円着服したことが発覚したと新聞やテレビメディアが報道し、明らかになりました。このニュースを知り、今どきあり得ない、どのような会計管理でこのように多額の金をやすやすと引き出せるのかと感じた県民は少なくないはずです。
 事務職員という立場を悪用し、不正を行った職員の資質に帰するところは大ですが、なぜこのようなことが起きてしまったのか。これまで、学校徴収金をめぐる学校財務の環境やシステムに課題があるのではないかとの問題意識から、業務改善を進めるべきとの立場で、6点、質問を行ってまいります。
 1、県教育委員会は、7日の定例会を経て当該の事務長による着服案件を発表しましたが、学校徴収金をめぐるこの職員の不祥事を受けてどのように対応したのかをまずお聞きします。
 2、また、学校徴収金においては、現在、一括、包括的に集金が行われており、極めて公共的な性格を帯びていると考えるが、県教育委員会としてはどのように認識して取り扱いを行っているのかをお尋ねします。
 3、学校徴収金は公金ではないが、教職員が管理を任されている実態にある。県教育委員会としてこれをどのように把握しているのか。また、業務上の監督はどのように行われているのか、あわせてお聞きします。
 4、平成22年3月に県教育委員会から示された「学校徴収金の基本的な考え方」には、学校徴収金の定義や基本原則、公費、私費負担の区別の考え方、保護者の負担軽減のための見直しの観点等が定められている。各学校においては、これを守り、適正に実施されてきているのか。これまで守られてこなかった例はなかったのかを伺います。
 5、保護者の信託に応えるため、学校徴収金の取り扱いについては、学校ごとの判断に委ねず、統一された取り扱いマニュアルを規定する必要があると考えます。この際、これを提案したいが、見解をお聞きします。
 6、学校徴収金の収納率について現状と課題をお聞きします。
      

◎教育長(原山隆一)

 

 このたびの県立高校事務長による横領事案に関しましては、全体の奉仕者たる公務員としてあってはならない行為であり、学校教育に対する信頼を著しく失墜するものであります。改めて関係者及び県民の皆様に心からおわびを申し上げます。
 まず、学校徴収金をめぐる職員の不祥事への対応についてのお尋ねでございます。
 事案の発覚を受け、県教育委員会としては、現地調査及び職員本人からの事情聴取、全ての県立学校において学校徴収金に係る会計の緊急点検を行い、6月7日付で職員本人及び監督者を処分したところであります。さらに、6月10日には、県立学校事務長を招集して本件について説明をするとともに、改めて県立学校における私費会計等の事務処理基準の遵守の徹底を図ったところでございます。また、現在、この事務処理基準の見直しに着手しておりまして、本件のような不祥事が二度と起こらない仕組みの構築を進めているところでございます。
 2点目の学校徴収金の認識及び取り扱いについてであります。
 学校徴収金については、平成22年3月に「学校徴収金の基本的な考え方」を長野県教育委員会として定め、県立学校長宛てに通知しているところであります。その考え方の中で、修学旅行費や副教材など保護者が負担する費用を学校徴収金として定義しているところであります。この基本的な考え方においては、三つの基本原則を掲げております。
 一つ目は、保護者に対して十分な説明と報告を行うこと。二つ目は、保護者の経済的負担につながることを十分認識し、必要最小限の額となるようその負担軽減に努めること。三つ目は、管理方法については、県立学校における私費会計等の事務処理基準に基づき、適正に取り扱うべきこととしているところでございます。
 3点目の学校徴収金の実態の把握及び監督についてであります。
 学校徴収金の実態把握については、事務処理基準に基づき、それぞれの学校においてどのような会計があるか、誰が会計の担当者であり誰が決裁権者なのか等を記載した登録簿を県の主管課に報告をさせております。また、事務処理の過程では、校長が監督を行っており、また、適正に会計処理がなされているかを確認するために、事務処理基準に基づき、主管課が指定した者による外部者点検を実施し、その結果を主管課に報告させているところでもございます。
 4点目の学校徴収金の基本的な考え方の実施状況についてであります。
 学校徴収金については、各学校において毎年度見直しを行っており、「基本的な考え方」で規定しております負担軽減の観点から、例えば、副教材等は本当に必要か、量は適切か等の検討や、修学旅行については、その行き先や行程、実施時期により負担軽減につながるかなどの見直しを実施しているところでございます。
 5点目の学校徴収金の取り扱いについて取り扱いマニュアルを規定する必要があるのではないかという御提案でございます。
 主に事故防止の観点から事務処理基準を定めておりますが、今般の不祥事を受け、再発防止のため必要な見直しを行っているところでございます。
 一方で、公費、私費の負担区分の曖昧さや保護者負担の軽減については課題であるというふうに認識しております。今後、議員の御質問、御提案の趣旨を受けとめながら、学校徴収金のよりよい運用を研究してまいりたいというふうに考えております。
 学校徴収金の収納率についてのお尋ねでございます。
 学校徴収金の収納率については、各学校からの報告は求めておりませんが、学校徴収金についても未収金が生じていることは承知しているところでございます。「基本的な考え方」の原則により必要最小限の額の徴収に努めることとしておりますが、未収金の多寡がこの原則との関係で課題はないのか、学校徴収金の運用を研究するに当たって考慮してまいりたいと考えております。
 以上でございます。
      

◆髙島陽子

 

 お一つお一つ御答弁いただきましたけれども、特に、私から4番目と5番目にお聞きしたところで、期待した答えと少し違うところがありますので、改めて指摘をしたいと思うのですけれども、公費と私費の負担の区別についての解釈や理解の曖昧さが実態としてあるということは私もたびたび耳にしたり、目にしたりすることがありまして、これまでそれが守られていなかったのではないか。例えば、講師への報酬や学校の設備を、受益者負担という考え方ではなく、本来は、教育活動、子供たちのために必要な施設整備ということで公費から充当されるべきではなかったかというような指摘が私のところにも入ってまいります。こういったことを踏まえて、先ほど、教育長は運用の研究というような言葉を使われたのですが、改めて県として統一された学校徴収金等取り扱いマニュアルというようなものの整備を求めたいと思います。
 文部科学省は、平成24年に、初等中等局から各都道府県教育委員会教育長宛てに「学校関係団体が実施する事業に係る兼職兼業等の取扱い及び学校における会計処理の適正化についての留意事項等について」を通知し、この中で、学校の経費について、「住民の税外負担の解消の観点から安易に保護者等に負担転嫁をすることは適当ではない」という関係法令からの言及をしています。
 また、平成27年7月にも、学校現場における業務改善のためのガイドラインをつくりまして、先進的実践事例を紹介しながら、適正かつ効率的な会計処理の実施のため、「会計処理の方法をマニュアル化し、統一した基準のもとで会計処理を行う」、「共通の会計システムを導入し、児童生徒からの徴収状況をパソコンで一括管理する」と指摘しています。
 また、少しずれてしまうかもしれませんが、現在、長野県においても、市立及び村立の義務教育学校で民間への外部化による新たな取り組みも始まっています。
 長野県市町村自治振興組合は、学校現場の働き方改革や給食費徴収の公会計化を推進することを目的として、学校徴収金管理システムの共同化事業の本稼働を開始したとのことで、県立学校でも参考となるなら、採用や導入を検討する、あるいは会計方法について統一基準を示すべき時期に至っていると感じています。こういったことを踏まえて、改めて教育長に、学校ごとの判断に委ねない県として統一された取り扱いマニュアルを規定する必要についての御見解をお聞きします。
      

◎教育長(原山隆一)

 

 県で統一した取り扱いマニュアル等の策定を検討したらどうかというお尋ねでございます。
 議員御指摘のとおり、公費、私費の負担区分についての曖昧さというものは私どもも認識しております。そして、それが各学校の判断に委ねられていることによって保護者の皆様からのさまざまな御疑念があるということも考えております。そして、今お尋ねにありましたとおり、例えば、義務教育の小中学校の中では、給食費を公会計化するなどさまざまな動きがあることも承知しております。そういった観点も踏まえまして、今回の事案を契機として、公費、私費負担の区分を適正にする、あるいは、負担軽減をどうやって追求していくかということも含めて統一的な県としての具体的な見解が示せるかどうかということについて検討を始めているところでございますので、議員の提案の趣旨を踏まえながら進めてまいりたいというふうに思っております。
      

◆髙島陽子

 

 続いて、本年4月に開所した待望の信州幼児教育支援センターですが、改めてその現状と、今後何を目指しどのような取り組みを行っていくか、轟教育次長にお聞きします。
 また、知事には、今後の長野県の幼児教育のあり方について御所見を伺います。
      

◎教育次長(轟寛逸)

 

 信州幼児教育支援センターにつきまして現状と今後の取り組みでございます。
 県内全ての子供たちに質の高い幼児教育を提供することを目指しまして、信州幼児教育支援センターを4月1日に設置いたしました。
 幼稚園教諭や保育士の研修は現状では園種によってバラバラに行われておりまして、幼児教育支援センターでは、幼稚園、保育所、認定こども園等の園種を超えて統一的な研修を行って、質の高い幼児教育・保育の実践を支援するとともに、小学校以降の教育に接続させてまいります。
 本県のセンターの研修の特色といたしまして、実践園を指定してのフィールド研修がございます。これは、質の高い幼児教育を行っている実践園のフィールドにさまざまな園種の保育者が集まりまして体験を通して学び合う研修で、県内4地区から1園ずつのほか、インクルーシブの観点から1園、小学校への接続の観点から1園、信州やまほいくから1園の計7園をフィールド園といたしまして、各園が培ってきた質の高い保育実践を互いに学び、高め合う研修を行います。このフィールド研修には小中学校や特別支援学校の教員も参加することによりまして、小学校以降へ接続させていきたいというふうに考えております。
 また、本県の幼児教育支援センターは、大学等の養成機関を初め、保育所、幼稚園、認定こども園、野外保育の関係団体と県とで構成いたします運営会議において方針を決定して、オールながので取り組みを推進する体制をとることができました。関係者が相互に協力、連携しながら効果的な取り組みを着実に進めてまいりたいと考えております。
      

◎知事(阿部守一)

 

 今後の幼児教育のあり方についてという御質問をいただきました。
 学びの県づくりを進めていく本県としては、生涯にわたる学びと人格形成の基盤を培う時期でもある幼児期における教育は極めて重要なものというふうに考えております。社会の未来をなかなか明確に見通すことができない中で、子供たちには、新しい社会を想像していく力、生き抜く力を身につけてもらいたいというふうに思いますし、また、配慮が必要な子供たちに対しても、適切な支援を行うと同時に、全ての子供たちが多様性の中でともに育っていく、そうした環境づくりに努めていきたいというふうに思っております。
 本県においては、信州型自然保育「信州やまほいく」という形で具現化しています。自然の中で一人一人がみずから考え、行動していく力を身につける、こうしたやまほいくのようなものを全国へと広げていきたいという思いで森と自然の育ちと学び自治体ネットワークを設立しました。他県、他の自治体ともしっかり連携をして、この幼児教育の質の充実を図っていきたいというふうに考えております。
 その中で、2点だけ申し上げたいと思いますけれども、一つは、幼児教育に携わる方々の専門性の向上がこれからますます重要になっていくというふうに思っております。幼児教育についての理念を共有し、また、それぞれの方々がスキルアップを図ってもらいたい、そういう観点でこの幼児教育支援センターが十分機能を発揮できるようにしていきたいというふうに思っております。
 また、やまほいくのお子さんの保護者とお話しすると、せっかく主体性が身についたけれども、小学校に入ると一律の指示を受けていささか困惑しているというような御意見もあります。そういう意味では、幼児教育だけを取り出して考えるのではなくて、小学校も含めた教育全体での一体的な取り組みも極めて重要だというふうに思っております。幼児教育支援センターはまだ設立したばかりでありますけれども、十分機能を発揮してもらい、そして、高等教育を含めた教育全体を視野に入れて幼児教育の充実を図っていきたいというふうに考えております。
 以上です。
      

◆髙島陽子

 

 モデル園における体験や研修は大変よい実践と受けとめております。県内の保育現場の横のつながりからの発見、そしてスキルの向上にも役割を果たすと大いに期待をいたします。また、結果的に保育資源を高める取り組みから、質と量の両面支援も進めていただきたいと要望します。
 前半の質問をさせていただいた中で、本来公費で賄われるべきものを私費会計で処理するといった事例も、明確かつ厳格に負担する根拠を示すことによって改善が進むと考えます。子供たちの学びを最大限応援していくためにも、教育委員会の一歩進めた取り組みを重ねて希望し、私の質問を終わります。